弾正どっとこむ 2003年7月13日N響アワー3
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2003年7月13日N響アワー3

三つのホルンの曲を放送した番組を、懇切・丁寧・おせっかいにも熱く解説します。ビデオ録画した人は必見!!

目次 | ペーター・ダム | バリー・タックウェル | ヘルマン・バウマン?

ヘルマン・バウマン田中正大・山本真

シューマン作曲 4本のホルンのためのコンチェルト・シュトゥック ヘ長調 作品86
 え〜、皆さん、掲示板ではお騒がせしました。(^.^;)m(__)m
 え?随分バウマンに失礼だって?だって仕方ないでしょう。完全にこの二人が食ってましたからね。しかも掲示板に書いた通り、田中先生はバウマンに1番のパートの随所随所を押し付けられ、怒りながら吹いてました。マジ恐いし(^.^;)
 伴奏のオケで一番を吹いていた千葉馨氏がアップになった時、『そんな事してる場合ぢゃないでしょ?あんたが一番吹きなよ!!』とツッコミを入れたのは、オレだけだったでしょうか?(^.^;)

1.演奏者について
 先ずはバウマンから。彼はハインリッヒ・ケラー氏に入門してたったの二年間でホルンをマスターして、ベルリン国際の第1位になっちまったという、訳の分からん程の運気と勢いと才能を持っている人です。でも人生はこの演奏会の後、波乱万丈でしたね。人生山あり谷ありです。頑張ってくださいっ!!
 次は怒ってた我が師匠、田中正大氏。武蔵野音大在学中に、学生ながら超売れっ子のスーパースターだったわけですが、その後ABC交響楽団に入団、遠征先のアメリカでこのオケが倒産、置き去りにされながらもしっかりホルンで稼いで帰ってきたという強者の中の強者です。その後、ウイーン交響楽団でずっと第1ホルンを吹きながら、ウイーン市民ではないという理由で入団出来ず、でも一番を吹かされ続け、帰国後は旧日本フィルへ。そこで小沢征爾氏に認められ、第1ホルン奏者になった後で、このオケが解散、日本フィルと新日本フィルになったわけですが、N響の首席となり、勇退後は京都芸大と武蔵野音大で教鞭を執り、現在に至ります。
 んでそのお隣が、松崎裕氏。見るからに外人な彼は、田中先生同様、福岡県出身の日本人です。ってわざわざ言うことかあ?(^.^;)芸大別科卒業後、ドイツへ。そこで学ぶも何もなく(ここは田中先生と一緒(^.^;))北西ドイツ放送交響楽団の首席にされちゃい、留学のはずがずっと働いて帰国、田中先生と千葉馨氏の推薦もあり、やはりN響の首席に。この放送の当時、痩せてましたっ!!カッコイイっ!!
 そして、高校時代の師匠、山本真氏。日本人のホルン奏者の中で、最も『天才』という言葉が似合うのが、彼。齢僅か三歳で既に絶対音感を身に付けたという強者です。お父さんはトロンボーン奏者の山トロさん。だからニックネームはトロっ子さん。トトロ系の愛くるしさの通り、人格者です。ここだけは天才らしくないです。あの毎コンで優勝したのが芸大の学生時代…だったと思います。(^.^;)んでもって、旧日本フィルへ。田中正大氏が、千葉馨氏にN響に呼ばれた時に出した条件が、『トロっ子も一緒だったら行く』でした。なので一緒にN響に来てしまいました。本当にいい人なんですよっ!!(^o^)v
・『舞台裏にて』
 この頃の師匠、本当に機嫌が悪かったんですよぉ。タダでさえ、当時は鬼の田中と呼ばれて恐れられていたレッスンでしたが、更に更に恐かったです。
 その理由が、掲示板や前述の通り、二番の仕事のはずなのに、バウマンに随所随所で交代で一番を吹かされたからなんですねぇ。後輩ですよ、バウマン。更に立場だって田中先生の方が上なわけです。海外のプレイヤーからは、お父さんの様に慕われてるんですから、我らが『へいさん』はっ!!
 実際、とんでもない所を交代させられていましたねぇ。音域外のHi-Aでお馴染のこの曲には、もう一つ下のHi-Gを長めに吹く部分が第3楽章にあります。それぐらい一番が吹くべきだと思いますよ。でもそういう見せ場まで田中先生に押し付けてるんだから、他の三人とギャラ一緒ぢゃなくちゃ、誰だって怒りますよっ!!本当にっ!!
・『世界の田中!!』
 そんな我が師匠、田中正大氏ですが、田中一門の特徴は、芸大受けずに武蔵野だけ受けて、無理矢理田中門下になる人が多い事です。オレもそうだし。中学の頃から意識して追いかけ出して、本当にハマりました。だって、凄いんだもんっ!!ロングトーンだけで泣かせます。音が凄いっ!!タックウェルと共通した凄さがありますね。太い、柔らかい、明るい、響く、通る、正に圧巻です。
 この人を語らせたら、半端ぢゃなく長くなります。そしてその殆どは…公開出来ないネタかも。(^.^;)今日はこの位にしときますね。
・『人格者にして…』
 今回は3番で、見どころが殆ど無かった松崎さん、ごめんなさい。m(__)m トロっ子さんの事を書かせて頂いて終わりにします。
 音楽界のトトロだとか、ゾウアザラシだとか、トドだとか…何れにしろ、動物系で可愛い為、女性ファンが圧倒的に多いのが、高校時代の師匠、山本真氏です。
 ところが、前述の通り、天才もいいところなんです。この人は本当に凄いです。
 ホルンは、その音域の広さの為、高音域奏者と低音域奏者にわかれます。彼はズバリ、低音域奏者。でも本当は高音域も凄いんです。んぢゃあ何で低音域なのかというと、恐らく、本人が好きだからだと思います。
 レッスンの時、高音域を吹くと、『…きつい』と言うのですが、言うのですが、確かに言っているので・す・がっ、楽々出してる様にしか聞こえません。(^.^;)もし本当にきついと思って出しているとしたら、それは音がいいっていう単純な結論しか出てきませんよね。それ以上は本人にしか分からない事です。
 『僕は高いの苦手だから、高いのは、田中先生とかに任せて…』といつもいつも言うんですよ。でも、どう見ても、どう聴いても、そうではなくて、低音域がうますぎるからだって結論しか出てきません。日本人では特異ですね。体格面でどうしても劣勢になる日本人の中にあって、もっともそれが顕著に出る低音域奏者、それが国際的な腕を持っているというのは、本当に凄いことです。やはり同じくN響の一色さんもそうですね。

2.この放送の聞き所
 え〜、バウマン、ヘロヘロですね。多分、その辺りから、田中先生に無理を言ったのでしょう。早くバテてたし、いいところがあまり無かったみたいです。
 珍しい、4本のホルンのアンサンブルをソロとして扱ったこの曲、本来ならば、アンサンブルが聞き所の一つなんですね。確かに、三人のアンサンブルはいつもながら素晴らしい、というよりも、凄いものがあります。
 それと、音域外の音。ここに来るまで、上の話しはして来ましたね。管弦楽法上は、Hi-Fまでとされております。その上を第1ホルンが出すと。でも一部田中先生。奇麗なHi-Gでした。田中先生。バウマン、バテてました。
 田中先生に挿し変わった部分の第1ホルンは、本当に美しい音ですね。バウマンはバテてました。…くどい?(^.^;)でも吹く前からバテてました。
 でも、本当によくハモってましたねえ。これは凄いです。そして、ベルリン・フィルのLP(今ではCD)とか出てますが、そういうのに比べると、本当にアンサンブルは素晴らしいです。他の演奏は、もっと皆自分勝手です。(^.^;)
 田中先生とか松崎さんとか、本当に美しい音なので、何回か聴いてみて下さいね。決して目立ってばかりではないけど、いい仕事してます。この二人、本当にスラーが美しいんですよ。音も奇麗だし。
 話が逸れてしまいましたが、高い方だけではないんです。低音域がきついっ!!地獄なんですよ〜(^.^;)
 実はオレ、学生時代はよくこの曲の4番を遊びで吹いてました。元仙フィルの木下さん達と一緒に。んで、きついだけではなく、とてつもなくおいしいんですっ!!更にトロっ子さんの巧さが際立ってます。あそこまで低い音を鳴らせる日本人って、本当に少ないです。
 しかも鳴らしてるだけではなく、いい音なんですねぇ。荒れた音で同じ音程を同じ音量で吹ける人ならいるでしょう。でもきっちりいい音でしっかり鳴らせるのは、彼の凄さに他ならないと思います。
 ちなみに、この曲の伴奏には、バス・トロンボーンは無いんです。(^.^;)そう聞こえたら、トロっ子さんです。ホルンですよ。凄いでしょ?天才ですよ、正に。
 あ、バス・トロンボーンみたいな音だって意味ではなく、バス・トロンボーンと同じ音域を、同じ様にきっちり鳴らしてるって言いたかったんです。誤解しないでくださいね。

 そんなわけで、弾正が弾正になる前、ホルンの佐々木としてしか存在していなかった頃の青春の1ページ…ではなく3ページを熱く語らせて頂きました。
 やっと音楽ページみたいな事をしたなあ、オレ。(^.^;)

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