弾正どっとこむ ホルン部屋/再開への道のり/本体のオーバーホール
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ホルン部屋

本体のオーバーホール

※自信の無い方にはご自身でのオーバーホールはお勧め出来ません。修理の職人さんにお願いしましょう。

1.経緯について

楽器購入から僅か一ヶ月少しでのオーバーホールとなったのには、実に怒りが込み上げる経緯があります。
1.中古販売した楽器店が、楽器店なのにメンテナンス無しで『状態A』の広告で普通の値段で販売していた。
2.前のユーザーが、恐らく学校の備品だったとしか思えないのだが、一回もメンテナンスしていなかった。

本当に怒りが込み上げて来ます。(-_-;)
それと同時に、オーバーホールして初めて分かった状態の悪さもあり、この楽器が実に痛ましく思えました。
楽器はパートナーです。愛情を持って接するべきです。楽器のメンテを全くしないのは、放置ではなく虐待です。
分解してみて、本当に目を覆いたくなる様な状況でした。酷いです。
楽器たちには罪なんてありません。楽器だって、意味があって生まれて来た筈です。
もっと皆が大切にして欲しい、自分で出来ないならプロの職人さんに定期的にメンテナンスしてもらう様になって欲しい、その一心で、このページを書いております。

尚、例によって携帯の写メなので、酷い状況については、その画質の範囲内で分かる部分しか掲載しておりません。実際はその何倍もダメージを受けておりました。

2.非デイリーケア!!オーバーホールはこうしますっ!!

皆さん、出来るだけデイリーケアーは怠らない様にしましょう。デイリーケアーについては、後日アップしようと思います。
今回はいきなりのオーバーホールで、デイリーケアーの画像が無いもんでして…(^.^;) m(__)m
くどい様ですが、自信が無かったら、強行せずにプロの職人さんに任せて下さい。楽器って、本当に繊細な物で、ちょっとした事で全くの別物になってしまいますから。

1.オーバーホールの前に
先ずは今回使用する工具をご紹介します。

・ビライ丸棒:
左が『ビライ丸棒』、直径10mmでこの長さ1mの物は、ホームセンターで50円でした。これは、ロータリーの分解と組み上げに使用します。
使用する前に、手ごろな長さに切断し、更に使用に耐える太さに、彫刻刀等で削ります。
実際に使用するのは、ロータリーの分解では主軸のネジを外した後に、ロータリー本体を取り出す際、ハンマーで直接叩かなくて済む様に、こいつを噛ませて叩きます。
組み上げの時も同様に、特にロータリーのカバー装着で、ハンマーとカバーの間に噛ませて使用します。

・ハンマー(小):
これは、彫金用とかの小さいハンマーです。実際に、ロータリーを外す時に丁度良い大きさのハンマーヘッドが無い為、ソフトヘッドが良さそうで役に立たないんですね。(^.^;)
その為、ビライ丸棒を噛ませるのですが、そのお陰で、この様に金属製のハンマーヘッドが直接楽器に当たる事が無くなり、これで充分になりました。ホームセンターの特売で300円でした。 また、特にロータリーの裏側で使用する際に、他の管をへこまさない為には、これ位の小さなハンマーヘッドでないと役に立たないわけです。本当に良い買い物をしました。(^-^)v
工具の写真
デイリーケアー兼用メンテナンス用品と…

・プロテクター(??):
何故これがメンテナンスのページにっ!?(^.^;)
一番左のがプロテクターですね。次の写真と解説で意味が分かります。(^.^;)

・ブラスソープ:
今回は、というか買っちまったもんで、無くなるまで使い切るつもりです。(^.^;)
これを使用する人がかなり多いかと思いますが、実は台所用の中性洗剤が最も適してます。
ブラスソープのメリットは、残り香で『楽器を吹いてるぞ』という実感が味わえることかな?(^.^;)
ちなみに、台所用中性洗剤は進化が著しく、汚れ落ちでも優ってます。

・フレキシブルクリーナー:
はい、管内清掃といえばこいつです。もう何の説明も要らないでしょうね。(^.^;)
っつうか、形見れば何する道具か分かるでしょう。(^.^;)
そうです、先端ブラシのそのまた先端がスポンジっぽくなっていて、そこを湿らせて洗剤をつけ、管内をごしごしこすって汚れを落とします。
メンテナンス用品の写真
・プロテクターのわけ:
実は、右の写真の通りなんです。(-_-;)
買った時既にこんなに緑青がついてました。
イオの1054CLなんですが、ラッカーかかってる楽器ですよ!!(-_-x)
完全にではなく、中央部が剥げ切り、周辺がまだらに剥げて、そのラッカーが剥げている所がことごとく緑青の餌食になってました。
こんなの、使った後にちゃんと汗を拭けば防げます。オレが、放置ではなく虐待だと言うのは、こういうところなんです。普通に使えば、普通に愛情を持てば、こんな事になるわけないです。
ちなみに、中央部の照度が合っていないので真っ白っぽく見えますが、実際はきっちり緑色でした。(-_-;)
この部分は、本当は止めた方が良いのですが、この部分自体が本体ではなくプロテクターで、音への影響がかなり少ないという理由で、金属磨き(今回はPikal)で磨きました。
ノーラッカーの楽器の場合は、摩耗を気にしつつ半年に一回位のペースでピカール等で磨きますが、磨いた後は必ずお湯で洗い流しましょう。実際に今回もそうしました。
左手部分の緑青の写真

2.分解しましょう
管を全て抜き、ロータリーを本体から外します。
外し方なんですが…すみません、写真撮り忘れましたっ!!m(__)m
高校時代の師匠、山本真先生の著書に写真入りで解説されてますので、そちらをご覧ください。(^.^;)m(__)m
え?納得出来ない?…この後のロータリーの組み上げ方を、逆にやれば分解出来ます。(^.^;)
分解した様子の写真
まだまだあった惨劇:

第三ロータリーの本体側内部をご覧下さい。一つだけ小さいロータリーがあって、その右側がそうです。
外部へ伸びる管の接合部を緑青の塊がふさいでました。完全にふさいでいたわけではなく、一部ですが、ここまでの状態にするには、購入後全く何もせずただひたすら酷使する以外にありません。恐らく、溜った水を抜く事さえも怠っていたとしか思えません。これ、マジで虐待としか思えません。(-_-x)
ロータリーを分解すると、この様なパーツに別れます。
上がレバーアクション部分のパーツとネジ、次がロータリーカバー、ロータリー軸本体、ロータリーキャップですね。
正式な名称は、メーカー等によってバラつきがありますので、今回はこの言葉で説明を続けたいと思います。
この写真では陰になって分かりませんが、一番右のロータリー軸本体のB管気道部分、つまり下のへこんだ部分の一面に緑青が付着し、息が通り難くなってました。
他のロータリーも、B管部分が似た状況でした。一番左の第四ロータリー、つまりB管とF管を切り替えるロータリーの軸本体は、如実にB管側だけがおかしかったです。
以上を総合すると、ブラスバンドでてきとーに扱われていたという実態が浮き彫りになります。
分解したロータリーの写真

3.各部の洗浄
さあ、いよいよロータリーを洗浄します。
軸本体は、超音波洗浄器を使用します。
ここで注意しなければならないのは、変色を何とかしよう等とは決して思わない事です。(^.^;)
ロータリーは機密性が最も重要なパーツです。研磨などしようもんなら、全くの別な楽器になってしまいます。当然悪い方にです。(-_-;)
写真の赤い丸で囲んだ部分が、ロータリーに付着している緑青の群れです。(-_-;)
ご覧の通り、ここではロータリーカバーも一緒に洗浄します。
スイッチを入れて直ぐ、ロータリーから白い煙の様な汚れがゆらゆらと出て来て、直ぐに写真の様に水が真っ白になりました。
くどい様ですが、こんなに製造後年数が経っていない楽器でこんな現象が起きてしまうのは、虐待としか言い様がありません。(-_-;)
超音波洗浄器によるロータリーの洗浄の写真
ロータリー洗浄と並行しても良いのですが、本体の管内清掃を行います。
フレキシブルクリーナーを基本的に使いますが、ベル等、全くサイズが合わない部分は、ぬるま湯を溜めて、洗剤やブラスソープを少し入れ、周囲に当たる物があるかどうか充分に注意の上、振る等して洗います。
先程の邪魔だった緑青は、写真の通りフレキシブルクリーナーで洗浄出来ました。
ここでも注意が必要ですが、ロータリー内部にはフレキシブルクリーナーは使用しない事です。やはりロータリーの機密性の問題があるからです。
ちなみに、写真一番右の第一ロータリーの底にも緑青の塊がありますが、これは爪楊枝で除去しました。かなり慎重にする必要があります。
この部分の清掃で、ロータリーの内壁を触ってみたのですが、これまで使用したどのメーカーよりも素晴らしい出来栄えで、つるっつるのすべすべお肌でした。(^.^;)
洗浄後のロータリー内部
さあ、ロータリー軸本体のあのしつこい緑青はどうなったでしょう?
ご覧の通りです。きっちり除去しました。
超音波洗浄器では、緑青は除去しても変色は直らない事がよく分かりますね。
変色は宿命であり、除去する必要もないし、これを何とかするとロータリーの機密性がなくなってしまいます。
ここで終了とするのが正解です。
洗浄後のロータリーの写真

4.仕上げ
さあ、すっきりさっぱりしたところで、いよいよ組み上げです。
ロータリー軸本体を楽器本体に装着します。ただ入れただけの状態が右の写真です。
ロータリーの装着時には、随時要所要所にロータリーヴァルブオイルをさします。
ロータリー上部の写真
裏側から見るとこうなります。中央部に軸がにょきっと出てます。
ロータリー裏側の写真1
にょきっと出た軸の中央部分に、ロータリーのガイドとなる部品を取り付けます。
ロータリー軸とガイド両方が、正方形ではなくかまぼこ型になっており、一辺だけ丸みを帯びており、方向を間違えない様に工夫されてます。
くれぐれもここで、間違った方向のまま強引に装着しないでください。取り返しの付かない事になります。(^.^;)
ロータリー裏側の写真2
装着したら、ロータリー軸中央にネジを取り付けます。
尚、分解法は、逆にこのネジを外した後で、写真のドライバーの代わりにビライ丸棒を噛ませ、ハンマーで叩き出します。
このネジ装着までは、反対側に手を添え、ロータリー軸が落ちない様にします。
ロータリー裏側の写真3
ネジの装着が終われば、ロータリー軸はしっかり固定された状態になってます。ここで楽器を裏返し、普通の持ち方にします。
ロータリー上部を見てみると、楽器本体側に、刻印が施してあります。これは組み上げ時の目印です。
ロータリー上部の写真2
ロータリーカバーにも全く同じ刻印があります。製造工程で、正常に組み上がった後に、組み上がった状態で刻印をするので、ここがピッタリと合っていれば大丈夫、という事になります。
カバーは、置いた状態でビライ丸棒を間に、ハンマーで叩いて装着します。
この時に、偏りが出ない様に、打楽器のチューニングの様にバランス良く色々な場所を弱めに叩きます。 縦横斜めの両端、合計8ヶ所が良いのでは?
ロータリー上部の写真3
四本のロータリーが組み上がったら、清掃終了後の管を取り付けます。管には勿論、スライドグリスを塗ります。
あ、その前に、勿論ロータリーキャップも装着します。(^.^;)
今回は、あまりに酷い状態だったので、一々表面の水分が取れたところでラッカーポリッシュで磨きました。
先程の左手部分のダメージには、ノーラッカー状態になっている事もあり(^.^;)、腐食を防ぐ意味を兼ねて、プロテクターを装着しました。
どうですっ!!この美しい本体っ!!
楽器は愛情!!(^-^)v
完成の写真

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