再開への道のり
弾正スペシャルver.2
そんなわけで、マウスピースのオーダーの為、東京へと行きました。仕事の打ち合わせや、芸道の本番もありました。でもオレの中でのメインは、聖地巡礼(田中先生のお宅訪問)とマウスピースのオーダーでした。(^.^;)
んで、マウスピースなんですが、これまで使って来たマウスピースの事を先ず書かなければいけないと思います。
音大の三年生になった時、師匠が田中先生になりました。初めて田中先生のお宅へお邪魔すると、先ずマウスピース選びになりました。何種類ものリム(口に当てる部分)と本体のセットを先生が取り出し、「多分これと、これだな」と仰り、オレが吹いてみるわけです。すると、「やっぱりそうか。前歯見せてみろ」と田中先生が仰るわけです。歯茎まで見える様に見せると、「お前なあ、オレと同じなんだよ。だから同じのでいいんだよ。」と笑顔で仰いました。
そのマウスピースこそ、パックスマンの3Cだったわけです。「でもなあ、これ、リムが良くないから、石森(石森楽器、修理で有名な楽器屋さん)とかに行って、リムだけ作ってもらえ。幅がティルツのS8と同じで、内径がパックスマンの3Cで、形が平らで両わきが丸くなってるヤツって言えばピッタリのを作ってくれるから。」
ダクでパックスマンの3Cを購入し、ティルツのS8(元々使っていた)を持って、石森へ行き、先生の言葉を丸写しで伝えたわけです。(^.^;)
出来上がりに驚きました。流石は石森の職人さん、一発OKだったのですっ!!(^-^)v
こうして弾正スペシャルver.1は誕生したわけです。そしてこのマウスピースを使い始め、オレは丸で別人の様な音になったのです。ハイトーンもそれ以前とは比較にならない程出る様になり、音大の四年生の武蔵野ホルン会の演奏会では、音域外のHi-Gをディスカントホルンやピッコロホルンではなく、アレキの103Mという極々普通のホルンで出す程になったのでした。
今回は、出来れば同じマウスピースが良いけれど、いっそのこと、このマウスピースの弱点も克服出来たらいいなあ、なんて思ってダクへ行きました。パックスマンの3Cには、気になる人にしか気にならない弱点があったのです。それはスロートの内部構造なのです。
ホルンの一般的なマウスピースの外観は下図の通りです。オレは絵が下手なので、全部Vカップで書きました。(^.^;) カップ部分がU字の形状の物もあり、パックスマンの3Cもそうです。m(__)m


この図の通り、一般的なマウスピースのスロートの内部形状は、出口へ向かってある程度緩やかに広がっているのですが、パックスマンの3Cは以下の通りです。

スロート部分の始点でいきなりマックスまで広がっているのです。この形状のせいだとオレは思うのですが、時折、調子が悪い時にパックスマン特有の粉っぽい音が出る事があるのです。ここを何とか、と思っていたわけです。
そんなわけで、音大の同級生のYSさんと二人で、ダクへと行きました。オレはマウスピースのオーダーがメイン、YSさんは楽器の試奏がお目当てでした。
この日は、何軒か楽器屋さんをはしごして沢山試奏する予定だったのですが、埼京線と山手線が人身事故で一時ストップしたあおりをモロにくらい、更に土曜日に全国区の楽器屋さんへ行ったもので、試奏待ちが一時間半に及び、ダクにしか行けませんでした。(^.^;)
二人でボーっと待っていると、音大のチューバの後輩登場。久しぶりの再開でした。つい何年か前に一緒に仕事をし、ちゃっぷすのラストコンサートにも来てくれてました。あ、ちなみにダクさんは、そのコンサートのスポンサーさんでした。m(__)m
そして、とても可哀想な人を発見。オレ同様、マウスピースを買いに来た人がいたのですが、オレらより遅くなり、更に試奏待ちになった為、気の毒にもマウスピースだけを吹いて選び、購入して行きました。(;_q))クスン
最後にシャンク(マウスピースの取り付け口)が合うかどうかを確認し、無事購入。でも本当に選べたとは言えません。きっと地方から来たのでしょう。それで帰ってしまいました。本当に可哀想でした。
結局オレが出した試奏のオーダーはというと、パックスマンの3C、TADの田中先生のセリフそのもののリムとパックスマンの3Cとほぼ同じ本体、参考の為にアレキの8Fでした。この時点で、吹いた事の無いTAD(タッド)への期待に胸膨らんでいたわけです。あのスロート形状はパックスマン特有なので、もしカップが同じでスロートがノーマルな物があったら、それはそれは素晴らしいだろうと。
オレの試奏の時刻が近づくと、店員さん達が慌ただしくパックスマンとTADの規格一覧の表とにらめっこし、かなりきちんとTADのマウスピースを選んでくれてました。有り難う御座いました。m(__)m
そしていよいよ登場!!…パックスマンの3Cは在庫切れでした。(-_-;) ところがそれでも構わないというとてつもない事態になったのです!!(・O・;
用意されたのはパックスマンの4C、TADのリムが二種類と本体が二種類、アレキの8Fでした。パックスマンの4Cを吹いて、こりゃもうダメだ、と思ってしまったのです。オレが作った時とは明らかにメタル(金属)のブレンドが違っていて、丸で別物だったのです。本当にがっかりしてしまいました。もしかしたら、はずれなのかも知れません。(^.^;)
そしてTAD。パックスマンのダクスペシャル(元祖弾正スペシャルの元)とTADは、リムが着脱式で、他のメーカーのは一体型なので、TADは、元祖弾正スペシャルと同じ形状のリムがあれば、これ幸いなわけです。TADは、数十種類のリムと本体の組み合わせからカスタマイズ出来る、というのが売りなわけです。んで、リムを装着した状態で二本のマウスピース、という風情で登場。吹いてみて、あれ?って感じでした。どうやらカップがオレには合わないみたいでした。もう片方を吹いてみると…マジかよこれ!?(・O・;
…パックスマンの3Cではなく、弾正スペシャルver.1と全く同じ吹奏感なのです。丸で良く出来たコピーみたいでした。吹いて直ぐ、「あ、オレの音だ!!」と叫んでしまいました。そこまで注文通りだったわけです!!
更に念には念を入れ、二つずつのリムと本体を四通りの全ての組み合わせで試しました。そして最終的に最高の組み合わせが実現。吹いていてストレスを感じず、恐らく元祖弾正スペシャルよりもメタルが良いのでしょう、何せ音が素晴らしいんですっ!!
イオなのに、低音バリバリな楽器なのに、Hi-Bb(管弦楽法上のトランペットの最高音(^.^;))がきっちりFFで出ますっ!!(^-^)v
更にイオのお陰で、低音バリバリもそのまま!!もう良い事ずくめで最高!!と思いきや、肝心のスロートは?…案の定ノーマルで粉っぽい音が出る気配すらありませんでした。艶やかな良い音ですっ!!(^-^)v
…ちなみにアレキの8Fですが、音大の地下に置きっ放しだと思うんですけど、持っていたわけです。参考にと吹いたんですが、流石は上吹き専用、ハイトーンはバリバリ出るのですが、ミドルFより下、つまり良く使う中音域の下から既に低音が怪しいオレでした。(^.^;)
そんなわけで、TADのマウスピースを即買いっ!!(^-^)v

こうして、またもや既製品枠ではないマッピ(マウスピース)になっちまいました。(^.^;) 弾正スペシャルver.2が無事誕生しました。もう一生コレで行くでしょう、オレは。(^-^)v
さて気になる楽器の試奏は?…次のページ!! 少し待っててね。m(__)m

