再開への道のり
io 1054CL 徹底解剖!!(2006/8/13)
さあ、9日間連続で練習出来ますっ!!(^-^)v
そんなわけで、昨日からガンガン行きたかったところなんですが、流石は田舎のお盆なわけです。そうも行きません。(^.^;)
昨日は普通の土曜日だったけれど、今日はお盆の初日。親戚が来る中、いつもながら甥っ子軍団も登場なわけです。
今日からの三日間、どれだけ練習出来るかと思うと、ちょっと気が重いかもです。(-_-;)
オーバーホール後、初めてのまとまった練習日程、というかイオを買ってから初めてですな。(^.^;)
んで、状態が良くなって迎えた昨日、ようやく本来の実力を発揮し始めたイオなわけです。
それでようやくオレも、ああ、イオってこういう楽器なんだな、って事が分かりました。
オーバーホールで音痴が直ったし、本来のクセみたいな物も見えて来たので、そんな事を書いて行こうと思います。
メタルについて
同じアジアの楽器で、既にメジャーブランドとなっているのがヤマハ。んで、一体どこがどう違うのか?っつうか最初っから似ていると思う人も居ないんでしょうけど(^.^;)、ここがこう違うの最たる物、それがメタル(材質)なわけです。
ヤマハは、やはり数十年の歴史を感じる部分があります。つまり、世界の各メーカーの流れをそれなりに見ている部分がありますよね。
メタルに関してもそれが言えると思います。オレがイオの前に使っていた、シュミットの赤ですが、こいつがライトウエイトになった途端に大ヒットしたわけです。
それに追随するかの様に登場したのが、ホルトンのバリー・タックウェル・モデル。やはり赤のライトウエイトでした。これも大ヒットしましたねえ。
シュミットはマイスターが元プレイヤー、ホルトンはモデル名の通り、バリー・タックウェルの言う通りに作った、つまりプレイヤーからのフィードバックの結果が、ライトウエイトの赤だったわけです。
そしてこれらのライトウエイトには、単純に重量が軽いとか、金属が薄いとかの他に、それに伴うもう一つの特色があるわけです。それが、『柔らかい材質』であるという事。
元々ホルトンはそうでしたね。ベルの裏側から指でこすると、表から指が動くのが見て分かる程柔らかかったです。
ヤマハは、そこまでは行ってません。でも充分柔らかい部類に入るメーカーだとは思いますよ。
そして、注文しなきゃライトウエイトにしてくれませんよね。(^.^;)
その代わりと言っちゃなんですが、ヤマハは、全部言うこと聞いて作ってくれるメーカーでもあります。
そんな世界の流れがある中、引き合いに出されているヤマハと比較するとどうなのか?っつう事ですが、イオはこんな特色があります。
- 硬い材質
- 分厚いメタル
試奏とかの第一印象で、あ、音が良い、と思う人が多いでしょう。実はその理由が、意外にも時代に逆行している部分から来ているのだと思います。
これは、昨日気が付いた事なわけです。この二つの特色から来ている、演奏の結果はどうかというと…
- 硬い材質→楽器自体に残響が生まれる。
- 分厚いメタル→鳴り難い代わりに遠鳴りする。
丸で良い事ずくめみたいでしょ?(^o^)
ちなみに、イエローブラスだと音がこもる筈のオレが吹いてもこもらないのは、やはり分厚いメタルのお陰みたいな気もします。もしかしたら両方の相乗効果なのかな?
んで、この結果、イオはヤマハ以上の評価を、先日の試奏ツアーの際に出しているわけですが、歴史あるヤマハが何故負けたのか?っつう事になると、どうしてもメタルの問題が大きいとしか言えません。
それは、日本のメーカーだからなんです。本当に良い音を出すメタルのブレンドは、実は日本の工業規格を守る以上、作れないのです。
このヤマハの悲劇は、既にプロのプレイヤーの間では定説になってしまってます。
ヤマハがこれからもっと頑張る為には、海外の工場で最高のブレンドをしたメタルを日本に送り、楽器を作って行く以外にはないと思います。
それにしてもイオのメタル、良いですよ〜!!(^-^)v
全体的な構造について
楽器はメタルが全てではありません。どんなに良いメタルを使っていても、他がダメならばやはりダメなわけです。
例えば、アレキメタルで他のメーカーが作った例が過去にありますが、アレキ程の評価を受けなかったという歴史があります。これは、アレキメタルに一番良い制作法はアレキの制作法だという事なのだと思います。
全体的な構造についてですが、イオはご覧の通り、同じ工場で作っているジュピターと全く同じ形状をしております。そしてどちらも、恐らく元にしたのはパックスマンの25だと思います。本当に似ています。
吹奏感や音についても、ジュピターは吹いた事が無いので書けませんが、イオに関しては、昔のパックスマンに良く似ています。
それでたまらんのが、良いところもよく似ているというところなんです!!(^-^)v
全体的な巻きの設計がパックスマンのコピーから、というのは、イオメタルの事を考えると、実に良い選択だったと思われます。
というのも、昭和50年代位までのアレキは、やはり硬くて厚めのメタルだったし、更にパックスマンというメーカー自体、神様デニス・ブレインの注文でアレキのコピーを制作してから業績が上がったメーカーなわけです。
巻き方や構造は全く違いますが、テーパー(管全体の円すいっぷり(^.^;))がB♭管を基調に計算した細ベルであるところや、イエローブラスがメインなところ(どこのメーカーもそうですが(^.^;))、後は細かいのですが、マウスパイプの内径やマウスピースを受ける部分の絞り加減、ベルに向かって広がる以前のヴァルブを含めた部分の管の細さ、なんかが実に良く似ているんですね。
つまり、アレキ・パックスマンの路線というのがあるんだ、という事なわけです。
んで、古き良きホルンというのを見事に再現した結果になったのが、イオの1054CLなんだ、という事が言えると思います。
ロータリーについて
オーバーホールの時に、実際に触って本当に感動したのが、ロータリーでした。
ロータリーと言えばヤマハだったわけです。世界最高水準を誇ってました。その前にトップに君臨していたのがアレキ(アレキサンダー)だったわけです。
流石に日本人は器用だ、と思えたのがヤマハのロータリーだったわけです。
ところが、イオのロータリーはその遥かに上を行っておりました。機密性、耐摩耗、構造、全てが優っていると思います。
これは恐らく、プレイヤーの山の様なダメ出しによって誕生したイオの、最もダメ出しの効果が大きかった部分なんだと思います。
お陰で、日本人並にしっかりきちんと飽きる事なく、ちゃんとしたロータリーを作る様になったのでしょう。
ちなみに、最近注目の的なのが、ウイルソンの新しい機構のロータリーです。これも噂によればかなりな高水準らしいです。
ヤマハには頑張って欲しいです。マジで。
ぶっちゃけどうなんだ?
んで、イオってぶっちゃけどうなんだ?っつう事なんですが…
オーバーホール後は、丸で昔のパックスマンです。今のではないです。(^.^;)
・音程:
音程のクセなんかは、丸でアレキの103です。Esや何かに合わせてB管の1番をチューニングすると、上のAsが低くなります。んで、ど真ん中のC(F管)がちょっと高目。ここが良い所なんですが、アレキの103程顕著ではないです。なので、ちょっと注意を払うだけで正しい音程でど真ん中のCが出ます。(^-^)v
・音:
丸で昔の細ベルです。ぶっちゃけ、ここまで残響が多くて(大きくて)遠鳴りするのは、今どき無いでしょう。それが最大の特徴です。ともすると、良く響くホールでは、響きが多過ぎて、16分音符とか、何をやってるのか分からなくなるでしょう。実際に教会位の残響のある場所で音を出して見ましたが、リヒャルトの一番の第三楽章なんかは、もう何やってるか分かりませんでした。(^.^;)
ただ、遠鳴りする楽器を響く場所で使うと、それはそれは素晴らしい音になるわけです。これは恒久的な現象だと思います。なので、音は良いです。
それから音色なんですが、明るくて、艶やかで、細い音ですね。コーンみたいなのとは対極にあります。アレキの103でも太ベルの音がしたオレが吹いても、細ベルらしい、細い音がします。そういった意味では、かなり頑固な楽器です。
・吹奏感:
これも丸で昔の細ベルです。(^.^;) ぶっちゃけ、きついです。ただ、バックエアー(息の抵抗)が強いとまでは行きません。なので昔のアレキよりはきつくないです。単に鳴らし難いんですね。
ただ、シュミット等に比べると、圧倒的に腹筋を使います。なので、上手い人が吹けば、かなり良い音がしますよ。(^-^)v
・総括すると…:
これは、良く響くホールや教会での、お金を頂いての使用、つまりプロユースには、残響の部分でちょっと苦しいかと思います。
恐くて出来ませんが、もしメーカーさんの協力があれば、一度ベルにクランツを付けてみたいです。後付けクランツになるわけで、折り返しで付くよりは良い音はしないかもですが、反面、大き過ぎる残響を抑える効果ははっきりと出るでしょうね。
後、低音が良いです。(^-^)v なので、下吹きには持ってこいでしょう。下吹きさんに限って、これだけの残響のある楽器で低音が出やすいというのは大歓迎だと思いますよ。(^-^)v
そんなわけで、比較的デッド(残響の出ない)な空間での使用が多い、吹奏楽には持ってこいだと言えそうです。何せ普門館があの通りですから。(^.^;)
お勧めの用途
そんなわけで、吹奏楽には良いと思います。他に考えられるのは、こんなところでは?
・初めてのマイ楽器:
何といってもこれでしょう。(^o^) 何せ、選定をかけた結果が『イオ』なわけです。良くないのは恐らくジュピターとして発売されるのでは?つまり、ハズレが出る事が考え難いんですね。
Made in Taiwanという事に抵抗が無い人は、是非是非どうぞ!!って言うか、Made in Taiwanだからどうの言ってる事自体疑問を感じます。(-_-;)
・セカンドユース:
古き良き『きつさ』のあるこの楽器、音は良いです。F管の音程も良いです。んなわけで、他にシュミットだとか、本番用の楽器をお持ちのプロの皆さんの、トレーニング用としては最適かも知れません。
また、音の良いホールでのオケでの使用は前述の通りちょっと難しい部分があるかもですが、スタジオ録音には持ってこいだと思います!!
デッドなスタジオで残響を作り出すと、恐らく大注目でしょう。(^-^)v
・サロン:
比較的小さなスペースでの小編成の演奏にも絶大な効果をもたらす事でしょう。
サロンコンサートでの使用で、この楽器で引っ掛かるのはそのきつさでしょう。(^.^;)
でも、出来ない程きついわけではありません。充分過ぎる程使用に耐えられます。ただ、オレ自身、古き良きアレキやパックスマンの経験者だから耐えられるのかもです。(^.^;)
今どきの、楽にハイFが出る楽器しか知らない人には、ちょっときついかもです。(^.^;)
オレは、室内楽で使ってみたいと思いますよ。(^-^)v
でもね、オケの楽譜って、そんなに16分音符、出て来ましたっけ?(^.^;)
つまり、換価価値となると世界最高間違い無しですっ!!
ザイフェルトだってオケで使ってます。それを考えると、実に久しぶりに、特異性のある名器の誕生なのかも知れません!!(^-^)v

