作曲にまつわる苦悩
作曲にまつわる苦悩
ホルンにまつわる苦悩では、ホルンに携わる皆さんにご共感頂けたかと存じます。では作曲家としてはどうでしょう?中々こちらはご共感頂けないのでは?等と少々不安を感じつつ、筆を執っております。それは、作曲家という名の人々の数はとてつもなく多いのですが、私と同じ境遇の作曲家は、とてつもなく数が少ないからなのです。私と同じ境遇とは、クラシックの作曲家という事です。
良くきかれるんですよ。「あなた、お仕事は?」という会話になると。答えは、「作曲家です。」…いつもこの時、しまったっ!!と思ってしまいます。何故なら、続く会話が非常に苦痛を感じ、更にもう飽き飽きしてしまっているからなんです。
「どういう曲を作曲してるんですか?」
「クラシックです。」
「クラシックって、どういうのですか?」
「オーケストラとかですねえ。」
「じゃあ、作詞は誰ですか?」
…え〜、言葉に詰まります。未だに一言で解決出来るという便利な言葉を知りません。どう説明すれば分かってもらえるんでしょうか?まあ、歌の無いやつです、とか言えば、分かったフリはしてくれるので、それで何とか切り抜けています。でも、更に恐ろしい質問が次に控えてるんですよ。特に、実際に曲を聴いてもらった後に出てきます。
「ほほう…オーケストラですかあ。」
「はい。」(これで分かってもらえたかあ、よかった)
「なるほどお、凄いですねえ。」
「いえ、それほどでも。」
「………ところで、編曲は誰ですか?」
…………え〜、もちろん全部私が作ってます。当然ですよ。ってゆーか、もう絶句ですよ。私のボキャブラリーは、これに対応出来るほど豊かではありませんっ!!
というわけで、これを読んで、皆さん、二度とこんな会話はさせないで下さい。本当に迷惑なんです。私という人間に興味を持って頂くことは、実に有り難い事です。それは大歓迎です。それに私の仕事に興味を持って頂く事も、大歓迎ですよ、とても。でも、この会話は、とてつもなく苦痛を感じます。
クラシック…というか、つまりは「元々は」という意味にもなるんですが、「編曲」という言葉は、伴奏を作るという意味ではないのです。あれは、歌謡曲の世界で、続々と曲を生み出し、巨額の富を得る為に考え出された、システムなんですよ、システム。では、本来の編曲の意味とは…
ここでは、本音を言えば、「佐々木の辞典」の「へ」をご覧下さい、と言いたいところですが、まだまだ「へ」なんかほど遠いので、大サービスで解説しましょうっ!!
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編曲 arrangement(英) 楽曲を、本来の編成や、演奏楽器等から、別の演奏形態に作り替えること。大きく二つに大別される。1)原曲の本来の作曲法を、出来る限り損ねない様に、小規模化して小予算での興行に対応したり、個人のリサイタルで公開出来るように作り替えたり、小規模な編成の物を、大規模にしたり、また歌曲を器楽のみに作り替えたりすること。 2)演奏上の目的から、編曲者の創意工夫を活かし、原曲に本来無かった物を作ったりする事。 |
お願いですから、もう二度とこの話をさせないで下さい。心の底からのお願いですから。

